「銀河鉄道の夜」北京公開イベント・レポート
カットビ北京観測所の貞方です^^
7月11日にKAGAYAさんたちが北京にいらっしゃるということで、さっそく行ってきました。
場所は北京天文館。その中のデジタルシアターが会場です。
いつも中国のイベントでは日本では想像出来ないようなトラブルに泣かされるので、KAGAYAさんたちのお手伝いする気マンマンで、通訳を引き連れて行ったのですが、スタッフの方に現場入りして欲しいと言われていた9時にはすでにイベントはスタートしていました^^;
ちょっと拍子抜けで着席すると、さっそく「銀河鉄道の夜」の投影が始まりました。今回は字幕ではなく中国語の声優でアフレコされていました。室井滋さんや桑島法子さんに比べると声が軽い感じで違和感がありましたが、初めて見る中国の観客にとっては関係ないことですし、十分に楽しめるのではないでしょうか。
ただ、個人的には音のバランスが微妙に気になりました。声優の声は痛いぐらいに低音が出ているのにBGMやSEの低音が全然出ていないんです。汽車のゴトゴトなんて音でゾクッとしたいところなんですけどね・・・
投影が終わり、KAGAYAさんの講演です。これがむちゃくちゃ楽しめました!
まずは「銀河鉄道の夜」を製作するにあたっての話。宮沢賢治を知ることが大事ということで取材旅行に出かけられた話から始まりました。三角標や賢治のみた風景、SL機関車などを取材写真と製作中のCGの対比をプロジェクターで投影しながら丁寧に説明してくれました。
(画像をクリックすると大きな画像が別窓で開きます)
さらにはKAGAYAさんの過去の作品「the Zodiac」も投影。このコーナーではデジタルペインティングについての解説が行われました。実に意外だったのが、人物モデルを実際に写真撮影し、その写真をもとにスケッチを描き、そしてCGペイントしているということ。KAGAYAさんいわく、CGは細かい部分を拡大して描けるのが良いとのことでしたが、ヤシの枝を一本一本描いてるビデオが紹介されました。作業こまか過ぎです(笑)。ビックリしました。
そして「星天日和」の投影の後、世界を旅した経験について話されました。タヒチやアラスカなど、世界中を旅して見て感じた様々な経験が作品のモチーフになっているということ。さらには天文館での講演にはピッタリな、南極での皆既日食を体験された話をされました。
中でもNASAのホームページに掲載された皆既日食の写真に自分が写っていた感動を熱く語られました。そもそも皆既日食の写真に人物が写りこむこと自体がとても普通ではありえないことですからね。とても神秘的で素敵な写真です。
(※編集注:この写真はFred Bruenjes氏が権利者のため、こちらのページでご覧下さい)
そして最後には将来の夢の話。いつか月に行きたいそうです。その体験がまた新しい作品を生むことでしょう。「好きなことや夢に向かうこと。それは、前に進む力を生み出し続けます。」そう締め括られました。
KAGAYAさんの講演に引き続き、加賀谷玲さんと井上ヒロコさんのミニライブ。「銀河鉄道の夜」で歌われている3曲を熱唱されました。かなりの大きさのスピーカーを仮設してあり、僕がいつもプラネでのライブ制作で苦労するような音に関する問題はまったくなく、とても良いライブに仕上がっていました。
イベントの最後にはKAGAYAさんたちへの質問コーナー。中国の人たちにそうゆうのってどうなんだろうって思っていたら、次から次へと手が挙がり・・・いかにもファンという方のあたりさわりのない質問から、製作費や配当に関する質問や、動画制作グループの売り込みまで、日本では考えられないような質問殺到で相当面白かったです。
そんな中、KAGAYAさんから告知されたのが、「銀河鉄道の夜」DVDの中国での販売が決定したことや、さらには北京を皮切りに世界配給も始まるとのこと。なんだかスゴイことになってきています!これからもKAGAYAさんたちや「銀河鉄道の夜」から目が離せませんね。