メニュー〜PROJECTメニュー〜PRODUCTSメニュー〜BLOGメニュー〜ABOUT USメニュー〜LINK, etc...
ホームスターPRO登場@東京おもちゃショー2006

 

●ホームスターPRO試作機、お借りしました

 東京おもちゃショー2006で発表・展示されたホームスターPRO。現場で取材しているとき担当のKさんに「量産試作ができたら貸してくださいね、レポート書きますから!」とお願いしてあったんですが、まさかこんなに早く、そかもその展示用の試作機をお借りできるとは思いませんでした!というわけで以下の一文もほぼ流用でございます(笑)。

 

※このレポートは東京おもちゃショー2006に出品された、投影用試作品についてのレポートです。製品版ではデザイン・仕様が変更になる場合があります。またレポートした品、及び製品についてのお問い合わせには一切お答えすることができません。以上予めご了承下さい。

 

 ではBlogの方で「ホームスターPRO短信」として6回に渡りお届けした試作機レポートを、若干の加筆修正を加えてお届けいたします。

 

●改めてファーストインプレッション

 何はともあれ電源ON。原板はカラー原板(こちらもまだ試作品)です。うん、やはり明るいですね。多少周囲に明るさが残っていても(夜を待ちきれずに投影/笑)、チンケな遮光カーテンだけでかなり微細な星まで見えます。周辺の星像も、現行機とは比べものにならないくらいシャープです。この辺の印象はおもちゃショーの時と変わりません。

 次に色の確認。おもちゃショーでは最良の投影条件のためか彩度が高く、かなり色の主張を感じたものです。しかしウチの天井(白ですが細かな凹凸がある)+いろんな機材のLED光が残っているような状態ではかなり彩度が下がるようで、なかなかイイ感じのチューニングだと思います。ちなみに感想はあくまで個人的なものですが、嘘やヨイショはありません(笑)!

 

●外観と仕様の再確認

 では次に試作機の外観や仕様をチェックしていきたいと思います。

 貸出機の位置付けは量産前の開発用投影サンプルとのことです。当然機能や仕様は市販されるものと異なる可能性があります。オペレーションパネルで提供される機能は全て不可な状態、つまりタイマー機能、日周運動、流星機能、電源スイッチは効きません。パネル自体に結線されていないということでしょうね。電源のON/OFFはACを供給する/しないで行います。

 外観は塗装と原板をのせるトレーのPROのシールを除くと、現行機とほぼ同じです。異なるのは上部のレンズ面。現行機はやや奥まったところにレンズ(の前玉)がありますが、PROは表面からちょっと下がっているだけ。しかも前玉(かカバーかは不明ですが)がドーム状に盛り上がっていて、いかにも広角をカバーするかのよう(実際の投影角については後で書きます)。これに合わせてピントリングも別設計です。

 塗装はショーで見たときの「テッカテカ」な感じからやや落ち着いた印象。ショーの時はグロスで磨いてお化粧してたのかな?といった感じ。特に指紋などの汚れを気にすることなく扱えます。ようやく「ブラック塗装」っぽく感じられるのは素直に嬉しいです。現行機のコスモブラックは一見するとプラスチック無塗装のように見えますからねぇ。メタリック感は変わらず控えめです。

 

●テストした原板について

 付属してきた原板は、日本の星空(カラー)、日本の星空(カラー・ライン入り)、月(フル・ムーン)、日本の星空(モノクロ)、日本の星空(モノクロ・ライン入り)、の計5枚。モノクロ2種は比較チェック用として付けてくれた量産版ですが、その他の3枚はやはり量産前試作とのことです。その他パッケージを含めて付属品はありません(ACアダプタのみ)。 カラー2種と月は完全に試作という感じ。構造的には2枚の透明プラスチックカバーに原板フィルムがサンドされていますが、まだ仮止めです。月はまだ一つの原板に大小2つの月が同居しているものですが、量産時はこの中間よりやや大きめで量産に入るようです。

 ここでいきなり脱線しますが、月の原板の印象について軽く触れさせていただきますね。

 結論から言うとこれは凄く気に入りました!天井に超リアルな月が、ありえない大きさでドーン!と映し出されて、めっちゃ痛快です!周囲が真っ暗ならまさに宇宙空間気分、月が自分のものになった気さえします。現実派には「満月でこんなにクレーターの影は出ない」などと突っ込まれるかもしれませんが、それこそが現実を超えたスーパーリアルCGの持ち味。KAGAYAさんの手による超精密CGでなければ、恐らくというか絶対にこの味は出せないと思います。これは今後のスライド系原板の展開に期待が持てますね〜。

 というわけで個人的にはこの月を手に入れるためなら3万払うぜ!ってなくらいに盛り上がりました(笑)。もちろんネタ選びは大変だと思いますが(というか今のところ月以外にピンと来るものが思い当たらない)、ぜひ我々を楽しませてくれるラインアップを期待します。

 

●投影像比較(PRO+カラー vs 現行機+モノクロ)

 お待たせしました、では現行機との比較を簡単に。まずは画像をご覧下さい。
 クリックすると大きなサイズ(1024×768)で見られます。

 

 

(左:現行機、右PRO)

 

 一目でおわかりになると思いますが、左が現行機で右がPROになります。現行機にはモノクロ原板、PROにはカラー原板が仕込んでありますので、どちらも購入直後はこのような像が投影される状態です。つまり機器単体の性能比較ではなく、コストパフォーマンスを含む商品力の比較と言えます。今現行機を持っていなくて、PROとどちらを選ぼうかと考えている方向けの比較画像ですね。

 どちらもほぼ画面中央にカペラ、右にアルデバラン、右下にオリオン座が見えます。露出は8sec、F2.8で固定、ピントも置きピンですので条件は揃えました。お断りしておきますが、微少な赤い点はCCDノイズですので実際にはありません。星像かノイズかは、モノクロ原板の画像を参考に脳内で間引いて下さいませ(笑)。

 この画像を見ると、天の川の微細な星の見え方がかなり異なることがおわかりでしょう。ただこの見え方の差は、明るさの差よりも原板の表現の差(という表現が適当かどうかわからない/苦笑)に依るものが大きいと思うんですよ。その辺はこの後原板を入れ替えたりして検証します。

 それからこれは画像のマジックなのですが、カラー原板は肉眼で見たらこんなにコッテリした色は感じられません。露光時間を充分に取った関係でこうなっただけで、実際はもっと淡泊な色に感じられます。「こんなんじゃあまりに不自然だぁ〜!」と早とちりしないで下さいね。

 

●全体&周辺像比較(PRO+カラー vs 現行機+モノクロ)

 次はいよいよPROの改良された光学系に迫ります。まずは投影全体像の比較。

 

 

(左:現行機、右PRO)

 
 右のPROの方は下部に本体が見切れてしまっていますがご勘弁を。撮影データは露出が4sec&F2.8、焦点距離28mm(35mm判換算)、撮影距離およそ1.1mで固定です。投影範囲が広がっているのがハッキリわかりますね。この撮影で気付いたのですが、現行機でも180°以上の星が投影されているんです(カノープスとデネブが両方見える)。へぇ〜。
  PROになるとさらに範囲が広がって上部(北の空)にベガが見えてしまっています。まあこの辺はあくまで試作機ですし、本来がシミュレーターでも教具でもないという商品の性格上、あまり細かく言及することではないでしょう。ただカガクノトビラ的にはもう少し実際の視野に近づいて欲しいという希望は伝えようかと思います。

 

 次にPROの最大の売りである周辺部のアップ画像を。

 

 

(左:現行機、右PRO)

 

 これはもう比べるまでもありませんね、その差は歴然です!現行機ではシリウスがすでに像が崩れかかっているのに対し、PROは端までバッチリ。もう何も言うことはございません、ハイ。

 

●同じ原板での投影像比較

 いよいよ山場です。現行機ユーザーが最も気になるところ、同じ原板を用いての比較をしてみましょう。

 まずはモノクロ原板から。

 

 

(左:現行機、右PRO)

 
 次にカラー原板。

 

 

(左:現行機、右PRO)

 

 いかがですか?この辺の判断はみなさんにお任せするしかなさそうですね。個人的にはPROの光学系は正常進化だと思いますし、非常に優れたものになったと感じます。ただ思いの外現行機の、悪く言えば弱々しい、良く言えば繊細な感じもまた捨てがたいなぁ、と思いました。クッキリハッキリ、あくまでダイナミックなPRO+カラー原板、対して線は細くともそれがまた持ち味とさえ言える現行機+モノクロ原板、といったところでしょうか?組み合わせとしてはやはりこれがベストなのではないかと。

 

 現行機にシンパシーを感じてしまうのは、都会の今にも消え入りそうな星空を見慣れているからなんでしょうかねぇ……。

 

●PRO添付予定の原板いろいろ

 最後はPROに付属予定の原板(ただし試作品)での投影の模様を一気にお届けしましょう。カラー星座線入りは本邦初公開、かな?
 また今までは比較のために冬の星空ばかりでしたが、せっかくですから夏の星空をお楽しみいただきましょう。

 

 

(左:カラー原板星座線無し、右:カラー原板星座線入り)

 

 

(左:月<小>、右月<大>)

 

 星座線入りを見ていただければ一目瞭然かと思いますが、夏の大三角付近です。中央やや左の明るい星がベガ、左下の青いのがデネブ、右下のやはり青いのがアルタイル。右上ギリギリに赤いアンタレスが写っていますね。

 月に見える黒い線は、フィルムにできてしまっていたキズです。そういうものとしてご勘弁を、とメーカーさんからの伝言(笑)。最後の写真はわざと電灯にかけたり事務所の風景を入れ込んだりして、「自宅に月のある生活」を演出してみました。明かりは反対側にあるサーバ用15インチモニタを1台だけ点灯した状態です。なかなかファンタジックな雰囲気でしょ?これなら適当な映画鑑賞の雰囲気作りに、なんて楽しみ方もできそうです。

 

●現行機の正常進化形

 さていろいろとPROの投影画像をご覧いただきましたがいかがだったでしょうか?実はこの後広いスペースをお借りして数点画像を撮ったのですが、残念ながらここまでご紹介した画像とあまり違いをお伝えすることができなかったため、割愛させていただきました。その際サポートしていただいたみなさん、大変申し訳ございません。m(__)m
 またしつこいようですが、このレポートはあくまで試作機に対するレポートですので、製品版では変更が出る可能性があることをご承知おきください。しかし光学系に関してはこの後変更が出ることは考えにくいので、性能向上がお目当てで購入をお考えの方にはかなり参考になることと思います。
 さて11月下旬発売予定のPRO、製品版ではどのようになるのか非常に楽しみですね!また何か情報が入り次第お伝えしていきたいと思いますので、みなさんお楽しみに。最後にこのテストの実現にご協力いただいたセガトイズ様に深く感謝いたします。

 

 

ご意見ご要望、リクエストに応援はこちらへお願いいたします。

 

(記:コバヤシミチオ)


>自宅プラネタリウム化計画トップへ戻る

 

※このサイトで使われている製品等の名称は、一般に各社の商標または登録商標です。